2025年12月21日 メッセージテーマ「飼葉桶に眠る救い主」
ところが、彼らがそこにいる間に、マリアは月
が満ちて、男子の初子を産んだ。そして、その
子を布にくるんで飼葉桶に寝かせた。宿屋に
は彼らのいる場所がなかったからである。
ルカ2:6,7
ルカの福音書2章1-7節
救い主イエスの誕生の出来事から、二つのことを考えます。第一に、なぜこのタイミングの
誕生なのか?第二に、なぜ飼葉桶に寝かせられたのか?神の救いは極めて計画的であり、
尚且つ、契約における救いです。思い付きや、準備不足は想定外です。そうであれば、二つの
問いかけにも、ちゃんとした意味があるはずです。
イエスが誕生したのは、ローマ皇帝アウグストゥスの時代です。帝国として国を治めた初代
の王で、彼の治世から200年ほどがローマの最盛期です。皇帝による中央集権支配と圧倒的
な軍事力によって統治しました。ローマ法によって秩序を維持し、商業、産業と全てにおいて
繁栄しました。人々の暮らしが豊かになる中で、税制度が初めて導入されたのです。住民登
録はそのためです。人々はローマ支配下の嫌な思いよりも、アウグストゥスがもたらした平和
と繁栄を喜びました。尤もイスラエルの人たちは、異教の国に税を納めることについては、大い
に懸念を示しましたが。
ルカの福音書は、「テオフィロ」という特定の人物に宛てて書かれました。彼は聖書の教えを
受けていることから、救われて間もない人か求道者かもしれません。彼はローマの高官です。
ローマを熟知し、ローマの平和を喜んでいる人の一人です。だからこそ、ルカはイエス・キリス
トのことをこの文書(福音書)で伝えようとしているのです。その書き始めは、時の皇帝は全世
界の支配者だったこと、その皇帝の命令でヨセフとマリアは大変な旅を強いられ、ベツレヘム
で出産したことを伝えました。そのことで、ローマ世界全体の繁栄の動きと、イエス誕生が深く
結びついていることを意識して伝えているのです。アウグストゥスとイエスを並べて、どちらが
本当の王で支配者なのか、問題提起しているのです。そして、その答えとして、「...救い主が
お生れになりました。この方こそ主キリストで
す」(ルカ2:11)と伝えました。
臨月の人が120キロもの距離を移動して、
ベツレヘムで生れなければならなかったのは、
その地から国を治める王が出るという預言が
成就するためです(ミカ5:2)。しかも、ベツレ
ヘムはダビデ王の出身地です。それらのこと
から、イエスが王としてお生まれになることは、
昔から決まっていたのです。アウグストゥスは、
神の計画実現のための道具に過ぎません。
イエスが飼葉桶に眠るのは、真の平和をも
たらすサインであり、十字架の死を暗示するも
のです。十字架は人間の罪を取り除く神のわ
ざであり、人の死をも取り除く完全な救いをも
たらします。その結果、とこしえの平和が与え
られます。一時の平和ではなく、とこしえの平
和をいただいてください。